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広告の歴史/江戸時代1

前回 日本における 広告のルーツについてお話しました。

最古の広告の説から 時代は流れ 時は 「江戸時代」

この時代には 現在の広告の原点があると言われています。

江戸時代

引き札

「引き札」もしくは「引札」(ひきふだ)というのは

今でいう チラシや折り込み広告、手配りのビラ といった宣伝用広告媒体で 江戸時代後期以降に 商店が開店や商品の宣伝をするために配っていたそうです。

「お客を引く札」ということから「引札」という名前になった説と

昔は「配る」ことを「引く」と言っていた為、「配る札」という意味で使われたという説もあります。

ちなみに「チラシ」は「引札をまき散らかす」が語源といわれています。

その配布方法には、まき散らかすだけでなく

特定のお得意に限る、町内各戸へ、通行人に配るなど、商売の業種や店の規模によってさまざまな形態がありました。

『引札繪ビラ風俗史』(増田太次郎著,青蛙房1981)には、「街頭配布」「戸別配布」「建物の内か外に貼る」「商品に添えて渡す(包装紙を含む)」「行商しながら配る」

などがあげられています。

はじめての引札

1682年末の火災(八百屋お七火事)で 本町の店舗が焼失してしまった為に 現在の三越百貨店、

豪商として知られていた三井越後屋の呉服商 越後屋八郎右衛門が 日本橋駿河町に新店を開業した1683年、

宣伝に「現金安売り掛け値なし」というキャッチコピーで はじめて引き札(チラシ)を江戸市中に配った店として知られています。

当時の呉服屋は 裕福な町人や武家屋敷を訪問して 掛値掛売りし、代金は年二回、6月と12月の節季払いで商売をしていました。

あらかじめ注文を聞き 商品を得意先に持参するか、得意先に商品を持参して売るか、いずれにしても煩雑な手間がかかりしかも、呉服の値段はその場その場の交渉で決められていました。

越後屋は それを廃止して、現金取引のみで掛値なしにしたことで 代金の回収をする手間や人件費を削り、延滞金による利息もなくし 安価で販売することを可能にしました。

また 得意先等の固定客だけの取引ではなく、不特定多数の庶民に「引札」を配り、この商法で越後屋は大繁盛したと言われています。

 

越後屋

その引札の現代語訳がこちら

『駿河町の越後屋八郎右衛門からお知らせいたします。

このたび、わたくしはひと工夫して、呉服物は何によらず、格別お安く売り出させていただきますので、

どうかわたしの店にお出向きになり、お買い上げいただきたいと存じます。

しかし、どなた様のお宅にも品物を持参しての訪問販売はいたしません。

もっとも、私どもが正札販売で売り出しました以上は一銭といえども嘘の値は申し上げません。従って、たとえお客様がお値切りになりましても、一切値引きするようなことはいたしません。

もちろん、代金は即座にお支払いいただきたく存じます。一銭といえども掛売りはいたしません。 以上

呉服物現金安売り掛値なし

駿河町二丁目 越後屋八郎右衛門 』

引札の誕生の要因

引札が江戸という大都市に生まれ た社会的な背景には、三つの要因が 考えられます。

1.商品経済 の活発化

当時は手工業の時代であったが、それがむしろ商域内での安定的な消費をうながしその結果、

人口の密集する大都市での宣伝・広告が なにより経営上必要になったと思われます。

2.印刷技術の進歩

木版印刷を量産する体制が整備されていたことにあります。

記録によると、ある呉服商は江戸市中に5万枚もの引札を配布したといいますが

こうした大量生産には、何十人もの絵師や摺師、 彫師、さらには文章を作成する戯作者(今でいうコピーライター) という、分業体制が整っていたと推測できます。

3.庶民文化の発展

貨幣経済の発達や庶民の経済的向上という条件の中で、江戸の庶民たちは、

浮世絵や書籍文化に代表されるように、文化そのものを商品として購入できる存在になっていました。

実際、引札は店や商品を多くの人 に宣伝する機能とともに、引札の作者とお客の受け手が共に楽しむという遊びの機能もあわせ持っていました。

そのため 引札には 行商人や歌舞伎のセリフを 真似たものや、洒落(しゃれ)などの言葉遊びが圧倒的に多く利用されていました。

つまり、 こうした広告主の遊びの精神を享受できる庶民文化が成熟していました。

この三つがからまりあうことで、

この最古ともいえる 広告メディア「引札」が発展していったのでしょう。

浮世絵

次回も江戸時代の広告についてお話したいと思います。

引用参考:引札

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